大気汚染常時監視システムの変遷と今後

摘要

大気汚染の常時監視は，大気汚染防止法第22条の規定に基づいて，47都道府県および同法施行令第13条に規定されている29市，ならびに地方自治法に基づき制定された17政令指定都市と35中核市の合わせて128自治体で行われている。この常時監視体制を維持することは自治体にとって予算的に大変であり，一部の自治体では「大気汚染常時監視のリストラ」もささやかれている。とはいえ，本特集でも取り上げているように光化学オキシダントの高濃度化が国内で顕著になってきており，長崎県や熊本県では昨年，光化学オキシダントの測定を開始して以来始めて注意報が発令される状況に至っている。