9月,10月連続特集広域大気汚染をめぐる最近の動向一総論編

摘要

近年の大気環境問題として注目を集めている光化学大気汚染問題とPM_(2.5)。光化学大気汚染は，大気汚染物質のNOxやVOCなどが紫外線によリ反応(光化学反応)してオゾンやアルデヒド等の光化学オキシダントに変わり，人に健康影響を及ぼすものです。1970年代に，東京都内の小中学校の児童生徒が大量に目の痛みやのどの痛みを訴えたことがきっかけで大きな社会問題となり，大気汚染物質(NOx,SOx.浮遊粒子状物質，オゾン)対策の進展に伴って被害は急速に鎮静化しましたが，10年ほど経った後，今度は大都市から60〜100kmほど離れた周辺域で光化学オキシダントの高濃度域が広がり，首都圏では埼玉，群馬，栃木，千葉，神奈川などで光化学スモッグ注意報の年間発生件数が急速に増え，一部には被害が出ました。