雨水利用の国際協力

摘要

日本における雨水利用国際協力のムーブメントは，墨田区において開催された1994年の「雨水利用東京国際会議」から始まったといえるだろう。この会議は，都市の水危機と雨水利用について初めて焦点を当てた国際会議で，市民のイニシアティブによって開催された。この会議をきっかけに，会議を主催した実行委員会は95年に「雨水利用を進める市民の会」として新たにスタートを切った（2002年に名称を雨水市民の会に改め，06年にNPO法人格取得）。その目的は，内外で一層深刻化する水危機を雨水の有効活用によって打開していくために，ネットワークを世界に広げ国際雨水センターを実現していくことにあった。ここでは，雨水市民の会が推進してきた雨水利用国際協力の取組みを紹介する。