H形鋼柱式スリット応急堰堤工法

摘要

最近，大規模でかつ深刻な土砂災害が頻発している。緊急的な対応が必要な渓流においては，まず，応急対策ェが設けられる必要があるが，砂防においては，その工法が限られている。2014年の長野県南木曽町での土石流災害，2014年の広島市での大规模な土砂災害，2016年の熊本地震による阿蘇地区での土砂災害，2017年の九州北部豪雨での土砂災害などでは，応急対策ェとして柔構造物工法である強靭ワイヤーネットェが設置されていた。また，これまでの火山噴火緊急減災対策砂防事業では，大型土のうやコンクリートブロックを用いた構造物が施工されている事例が多い。なお，鋼製砂防構造物としては，現状では完成品をそのまま設置する鋼製砂防牛枠水制（ブルメタル）しかなく，それも渓岸侵食の防止，流向制御，土石流の減勢等を目的とするものである。