新型鉄道クレーン車(KRC810N)の導入

摘要

鉄道クレーン車の前身である操重車(ソ300形式)【写真-1】は、1966年(昭和41年)に製作され、35年間に渡り橋りょう桁交換工事を中心に活躍してきました。操重車は車籍を有し、貨物列車による輸送が可能なことから、広範囲まで輸送を行うことができました。そのため、国鉄から民営化された以降もJR各社からの委託を受け全国的に施工を行ってきました。しかし、老朽化のために操重車は用途廃止されることになり、その後継機としてドイツ•ゴッドヮルド社製の鉄道クレーン車【写真-2】を購入することになりました。1995年(平成7年)に鉄道クレーン車(GS-80)1号機が、1999年(平成11年)に2号機が導人されました。操重車は貨物列車による全国的な速用が可能でしたが、鉄道クレーン車は保守用工作車のため、保守用車扱いとして線路閉鎖間合い作業で回送しています。線路閉鎖間合いでの移動可能距離等を鑑みて、運用は首都圈に限定されることになりました。運用の制約は難しくなった一方、定格荷重や作業半伃、旋回量などのクレーン機能は格段に向上したため【表-1】、操重車では施工が難しかった分岐器の一括架設等が容易になりました。その結果、鉄道クレーン車は橋りょう交換工事だけではなく、重軌条化に伴う分岐器交換や工事桁架設といった施工を数多く行っています。現在まで分岐器307組、橋桁23組、工事桁401組の実績があります。