護岸に用いるコンクリートブロックの景観評価手法と証明制度について

摘要

護岸に用いるコンクリートブロック（以下「護岸ブロック」という。）は、河川の災害復旧事業において多用される土木資材である。しかし、通常のコンクリートは明るく平滑なこともあり、自然的要素から構成される河川景観の中で目立ちやすく、景観と調和しにくい。特に川幅が比較的狭い中小河川においては河川空間における護岸の割合が大きくなることが多く、護岸ブロックの景観上の工夫が河川景観全体に大きな影響を与える。平成22年に改訂された「中小河川に関する河道計画の技術基準」（以下「中小河川技術基準」という。）及びその解説書として平成23年に発刊された「多自然川づくりポイントブックⅢ」（以下「PBⅢ」という。)では、河岸•水際部の計画•設計手法の中で護岸が露出する場合に必要な環境機能と護岸の素材選定に関する留意事項が示された。しかし、示された留意事項は定性的な表現に留まっている、もしくは、具体的な評価方法が示されていないため、どのような護岸ブロックを選定すればよいか不明瞭であった。