古民家 その用と美に学ぶ

摘要

本来、日本の木造住宅は、伝統的な日本家屋から構法や素材に学び、わが国の大工技術を駆使した古民家の延長上に、現在の住まい方を重ね合わせた姿ではないかと考える。本連載ではこれまで、古民家の耐震性能や温熱性能に触れ、江戸時代までの伝承が明治時代に西洋化したことで柔軟な構造を活かしづらくなつてしまったこと、建物やまちのつくり方に潜むパッシブな工夫がまだまだたくさんあることを述べた。住まいの性能の話題は、掘り下げればきりがない。