中国国際複合材科工業技術展覧会（CCE2011）視察記

摘要

世界における複合材料の年平均成長率は約5％と言われているが，アジア太平洋地域での同成長率は7％と世界平均を上回る。それを牽引するのが最も早く世界最大の複合材料市場となった中国（約16．2％）と，近年成長著しいインド（約15％）である＊注1。その中国の勢いを象徴するのが毎年中国国内で開催されている複合材料展示会「中国国際複合材料工業技術展覧会」（通称CCE）である。毎年北京と上海で交互に開催されているが，第17回にあたる今年は上海の万博跡地である「上海世博展覧館」にて9月7日（水）から9日（金）の3日間にわたって開催された。産業資材新聞社主催の「中国FRP事情視察団」が例年通り催行され，原料部会からも参加させていただいた（写真1）。原料部会としての訪問は2年ぶりとなるが，過去に実施した海外依存度調査等では日本のFRP業界に　おいて依然として中国が最も依存度の高い国であるこ　とから，原料メーカーから見た中国FRP市場の現状と　今後の動向を視察した。