レールガス圧接用バーナー

摘要

列車の走行にともなう騒音•振動の抑制，軌道保守費の低減および乗り心地向上の目的から，レール継目部を溶接により排除したロングレール軌道が，新幹線などの高速鉄道，および都巿部の在来線では一般的となっています。現在，日本では，レール溶接方法として，ガス圧接，フラッシュ溶接，エンクローズアーク溶接，テルミット溶接の4工法が適用されています。このうち，ガス圧接は，接合するレールどうしを突き合わせ，軸方向に力(16〜18t)を加えて，接合部周囲を酸素•アセチレン炎で加熱し，接合します。この方法は，使用機器が比較的小型で，現場施工が容易であることから，主要なレール溶接法として適用されています。しかし，加熱バーナーの操作などに作業者の技能が必要とされる場合があり，作業手順に不備が生じた場合，圧接界面に残存した酸化介在物に起因する溶接欠陥が発生することがあります。なお，このことは，レール溶接の中でガス圧接施工の老舗としての我が社にとって大きな問題でした。このような中，ガス圧接の加熱作業の安定性向上を図る目的から，鉄道総研と共同で加熱バーナーの改良に取り組みました。