高速でも揺れない新幹線を: セミアクティブ制振装置の開発

摘要

新幹線が高速走行すると，車体に作用する空気力などにより横揺れが増加します。高速走行時でも良好な乗り心地を保っため，1994年から1996年にかけて営業列車としては世界初となる振動制御装置を開発し，500系や700系新幹線車両などに採用されました。その後，一層の普及を目指してシステムを見直し，性能を向上しながら低コスト化した第二世代の装置を2000年から2002年にかけて開発しました。この装置は新幹線車両に広ぐ用いられ，一部の在来線特急にも採用されています。これは車体の横揺れを，台車と車体の間に設けたダンパーにより制御する装置で，ここではこの開発経緯について紹介します。