液状化地盤におけるシートパイル補強工法の耐震設計法の提案

摘要

地震時に液状化が発生すると地盤は急激に強度ならびに剛性を失うため，構造物には大きな被害が発生します。既設構造物の液状化対策工法として提案されている増し杭工法や地盤改良工法は基礎寸法の大幅な拡幅を必要とするため，特に狭隘区間に位置する構造物に対しては適用が困難でした。本研究では，狭隘地の構造物に対しても適用可能で，施工性•経済性に優れる液状化対策工法の開発を目的とし，シートパイル補強工法を対象に模型振動実験ならびに数値解析を実施し，効果や補強メカニズムの確認を行うとともに，得られた結果から設計手法の提案を行いました。図2は実構造物の試計算から得られた荷重-変位関係であり，補強によって杭頭せん断破壊ならびに地盤の支持力破壊を抑制できることが分かります。また，コスト比較を行い，既往の工法と比較し20%程度のコスト低減が可能であることを確認しました。