大都市圏の通勤路線において,小規模遅延発生時に数十分先までの遅延を予測することは.列車運行を管理する指令員の業務の支援の面から重要です。これまでも遅延を予測する研究は行われてきましたが,数分程度の遅延が発生した時においても,遅延を予測する手法は精度が十分で無い,多くのパラメータを調整する必要がある等の課題がありました。そこで,本研究では,深層学習のモデルの一つであるLong Short Term Memory(LSTM)を用いて遅延を予測する手法を構築しました。具体的には,LSTMを快速や普通列車といった列車種別毎に構築したうえで,当該列車の直近の駅での着·発遅延を入力し,現在時刻以降の各駅での着·発遅延を逐次予測する手法です。本記事では,構築した手法の概要とともに,大都市圏の通勤路線の朝ラッシュ時間帯の列車を対象に遅延の予測精度を検証した結果を報告します。
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