本会議は,LHCが進めている次世代の鉄道用移動通信システム(Future Railway Mobile Communication System: FRMCS)ブロジェクトが主催した,初の全世界的な会議でした。現在,国際的に相互乗り入れする列車が多い欧州を中心に,第2世代移動通信システムをベースとした列車無線システム(GSM-R)が導入されていますが,GSM-Rは開発からすでに20年が経過し,2030年にはサービスの停止が予定されています。そこで,後継となるシステムの仕様検討が,本会議を主催したプロジェクトで進められています。会議では,現在使用されているGSM-Rと関連列車制御システムの紹介,第5世代移動通信システム(5G)の仕様に鉄道特有の機能を加えたFRMCSの仕様,鉄道用として確保を考えている周波数帯,展開に向けたスケジユールなど,2日間で40件の講演が行われました。Global Conferenceであつたものの,ほとhどが欧州に特化した話でした。しかし,日本でも5Gの列車無線への活用が議論されていることもあり,仕様の中身や5Gの仕様を定めているブロジェクト(3GPP)や他団体と連携した標準化活動の内容など,とても貴重な情報が得られた会議でした。
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