落葉による車輪の空転·滑走メカニズムを解明する

摘要

山間線区では，秋に沿線樹木の枯葉が線路の周りに落ちることが多く見られます。列車通過時に落葉は車輪に踏み漬されてレール面に付着します。この付着物は結露や霜などの水分を吸収することにより，葉に含まれるタンニンがレールの成分である鉄と反応し，黒色皮膜が形成されます。また，時間の経過ととちに黒色皮膜は厚くなり，湿潤条件下では柔らかいペースト状となって粘着力（参照）を低下させるため，車輪の空転や滑走を引き起します。ここでは，このような現象を再現した実験や落葉に起因する車輪の空転·滑走メカニズムについて紹介します。