レール振動におけるレール支持機構の影響

摘要

レール振動に関する基礎的な特性を調べるために軌道モデルを構築し，実測結果との整合性を確かめた。また，実測結果と軌道モデルによる計算結果から得られた知見は以下の通りである。（1）周波数応答には，軌道パッド等のバネとレールの連成による特徴的なピークが現れる。（2）まくらざ間隔のばらつきにより，pinned-pinned共振に伴って生じるレール振動に対する影響を緩和する。（3）レール振動の周波数応答および減衰率は，軌道条件と軌道パッドの剛性に依存する。今回の軌道モデルには，2000Hz以上の周波数域において起こるレールの断面変形は考慮されていない。このレール断面内変形は，レール振動の加振点アクセレランスや距離減衰率に大きな影響を与えている。今後，この点を考慮に入れ，振動・騒音の予測を行う軌道モデルの構築を行う必要がある。