脱線係数と車輪上昇量に基づく低速走行時の乗り上がり脱線の走行安全性評価

摘要

車輪フランジ乗り上がり脱線に関して，厳しい軌道条件下で実施した急曲線低速域の走行試験データを用いて，在来線の走行試験への適用を想定したデータ処理と新たな走行安全性評価指標を検討した。その結果，静止輪重のアンバランスが20%の場合，遮断周波数20HzのLPF処理を施した上で2m移動平均処理を行った脱線係数は，車輪フランジ直線部で車輪がレールと接触している間の乗り上がり発生時の車輪上昇量の変化に対応することがわかった。また，脱線係数の時系列履歴を考.慮した新たな評価指標である脱線係数の距離累積値を用いると，LPF ·移動平均処理後の値が目安値の0.95を：超えた場合でも，脱線係数の距離累積値が6m未満であ：れば，車輪上昇量が5mmを超過しないとの結果を得た。