第2章　阪急のルーツ2-5　東京適出と東宝グループの成立

摘要

小林一三は，昭和2年3月に阪神急行電鉄の社長に就任し た．大正14年9月に先代社長の平賀敏が高齢を理由に財界を 引退することにして，阪急の社長も辞めてしまった．平賀の さらに前の岩下社長にしても，この平賀社長にしても，三井 銀行以来の上司で，一三に全幅の信頼を置いてくれており， 会社の経営は専務の一三の自由に任せていた．常に，大阪財 界の看板を掲げながら，しがらみや付き合いなど関係なしに 一三の発想を貫くことができた訳で，その点では実業家とし ての一三は幸せであった．