150年を前に、ーから学ぶ日本の鉄道黎明期創業来100年概史[第8回]

摘要

1930年頃から世界中で、流れるようなラインを持ったいわゆる「流線形」鉄道車両ブームが起きた。当時は海外の文献も日本に入ってきており、海外でのブームぶりも知られるようになり、やがて日本に「伝染」する。国鉄では1934(昭和9)年、東海道線の看板機関車3シリンダー大型機C53の1両(1928年製の43号機)を流線形に改造、子供向け絵本や少年向け写真画報誌などで大人気となった。1936(昭和12)年にはC55の増備車(20～40の21両)が流線形で製造される。電気機関車では1936(昭和11)年製のEF55の3両が流線形となった。電車では既に述べた1936(昭和11)年からの流電モハ52が登場した。後述する気動車では1935(昭和10)年からのキハ42000が流線形で65両製作され、これが日本の流線形車両の最多両数となった。1936(昭和12)年のキハ43000形はさらに洗練されたデザインである。