消えた地方私鉄晩年の日々廃止になったローカル私鉄たち平成時代編第11回日立電鉄

摘要

平成時代、12番目に時刻表から姿を消したローカル私鉄が日立電鉄で、鮎川～人甕～常北太田問18.1kmは2005(平成17)年4月1日に廃止となった。昭和初期に地元資本の常北気鉄道として開業し、当初は会社存続が危ぶまれるほど利用が少なかったが、地元の雄である日立製作所が軍需産業の労働力を求めたことで、輸送人員が増え始めた。日立製作所は水戸を結ぶ高速鉄道を敷,没する構想を持ち、常北電気鉄道の筆頭株主となる。戦後も1947年に大甕～鮎川間を開業させたが、日立のグループ企業であるがゆえに経営にはシビアであり、ワンマン運転をいち早く導人した。雑多であった車両を営団地下鉄(現在の東京メトロ)2000形に置き換え、大增発を行ったものの旅客の減少は止まらず、廃止の断が下された。沿線自治体が存続に向けて動きを強めた時期もあつたが、他の事例から見ると潔くというか、輸送量からすると見極めの時期が早く、廃止に至つた。