民鉄の鉄道施設を訪ねて第7回南海電鉄「古い施設を守る先進的でユニークな維持管理技術」

摘要

南海電鉄は、大阪の難波と和歌山、関西国際空港、高野山などを結ぶ総営業キロ154.8kmの路線を経営し、現存する純民間資本による民鉄としては日本最古の会社である。難波駅に併設された1932年竣工の南海ビルディングがその長い歴史を象徴する大阪ミナミのランドマークとして威容を誇るー方、使用開始から100年以上経過した構造物群をもつ南海本線、霊場高野山への険しい山岳地形と建設当時の資金的•技術的制約のため災害の起きやすい環境条件にある高野線ともに古い設備を長期にわたり健全に維持管理していく上での課題や苦労も多い。今回これらの課題を解決するための南海電鉄独自の取り組みの数々について取材した。