鉄道の地震レジリエンス

摘要

「レジリエンス」とは、本来は「反発性」「弾力性」といった現象や特性を指す物理学分野の用語であるが、ここから「外的な衝撃に耐え、それ自身の機能や構造を失わない能力」という意味で広く使われるようになった。防炎分野でもこの概念は重要と考えられており、特に鉄道の地震災害に対するレジリエンスは「鉄道の地震レジリエンス」と呼ばれている。鉄道の地震レジリエンスは図-1に示すように、地震が発生した際に鉄道の性能(輸送力)の低下を抑え、仮に性能が低下する事態となってもこれを乗り越える能力として表現できる。そして、この鉄道の地震レジリエンスは地震時の性能低下を抑える「強さ」と、低下した性能を迅速に正常な状態に復帰させる「回復力」により支えられている。