初代国鉄通勤形電車73系のあゆみ〜国鉄とともに昭和を駆け抜けた通勤形電車63•73系とその仲間たち〜連載第12回 73系の仲間たち

摘要

RM437号から3回にわたり73系の各種改造車にスポットを当ててきたが、今月号は、郵便•荷物用の事業用車続編2形式と旅客用改造車をご紹介し、車両紹介を完結とする。クモニ83形は、合造車クモユニ74形に続き、20m国電初の荷物専用電車として、1966(昭和41)年7月に登場した。最初に改造されたのはクモユニ82形の場合と同様、次項で述べる中央東線用の800番代で、基本番代（0番代）車はその翌年6月に高崎、上越線用として登場した。車体はクモユニ74形の後期スタイルを基本に、車内をすベて荷物室としたもので、前面はクモユニ82形同様、周囲のRをやめた完全な切妻非貫通型となった。側面は荷物室用の幅1,800mmの両開き扉を片側2ヶ所に配し、幅700mmの2段上昇式側窓を片側8枚配置、前位と扉間の側窓は2連窓とし、荷物室後位の2-4位側に便所を、その後方に荷物車掌室用の単独側窓1ヶ所と専用の側開き戸を配置した。車内は大半が1部屋の荷物室で荷重は11t、便所の対面には貴重品保管室がある。