超薄型有機太陽電池で自立駆動東大が柔軟な皮膚貼り付け型光脈波センサーの開発に成功

摘要

東京大学大学院工学系研究科の横田知之准教授、甚野裕明特任研究員、染谷隆夫教授らの研究グループは、超薄型有機太陽電池で自立駆動する、柔軟な皮膚貼り付け型光脈波センサーの開発に成功した。このセンサーは、有機EL素子、有機フォトディテクター、有機太陽電池の三つの異なるデバイスが集積化されており、太陽光による自己発電を用いて脈波信号を計測することに世界で初めて成功した。さらに、有機EL素子の電子注入層にドープされたポリエチレンイミン層を導入することで、発光効率11.7cd/Aを達成しながら、大気中において11時間以上連続駆動させた後においても、初期の70%以上の輝度を保つ高い大気駆動安定性を実現している。今後、電力の消費や皮膚への長時間の装着による負荷を気にせずに、連続·非侵襲な生体情報測定が可能な常時装着型のウエアラブル医療センサーなどへの応用が期待される。