ミリ波

摘要

年が押し詰まってきてからもイノシシの出現が頻発している。令和元年の印象が強く、今年の干支が亥だったことを忘れていた▼存在感を示そうということではないだろうが、里に下りてくるのにはそれなりの訳がありそうだ。農林水産省鳥獣対策室がまとめた「捕獲鳥獣のジビエ利用を巡る最近の状況」によれば、野生鳥獣による農作物の被害は減少してきているそう▼10年度の被害額は239億円だったが、18年度は158億円と、大幅に改善されている。イノシシとシカの捕獲頭数も大幅に増加しているという▼2000年の捕獲数はイノシシが15万頭、シカは14万頭だったが、昨年はイノシシ60万頭、シカ56万頭。いずれも獣害防止を目的にした市町村長の許可に基づく捕獲だそう。ジビエ利用は、食用が8割で1496トン、ぺットフード用が374トンというのも驚き。野生鳥獣の食肉処理加工施設は全国に633もある▼捕獲用ワナのIoT化も進んでいる。千葉県木更津市では木更津高専が開発した、センサーと監視装置を活用してイノシシの捕獲とジビエ化に取り組んでいる。子どもパソコン"Ichigo Jam"利用のワナ開発事例のほか、IEEE802.11 ahの導入計画もある。