クリギング法による地震動分布推定の実用化に関する研究

摘要

The aim of the present paper is to introduce a practical method to estimate the special distributions of ground motion, based on Kising analyses using ordinary boring investigation data and one-dimensional earthquake response analyses. By this method, strong ground motions can be estimated accurately at a minimum costs. Because the Kriging analyses can also provide quantitatively the estimation errors, the low accurate estimation areas can be found at a glance in the all area. The sample analyses suggest us to utilize various countermeasures, which should be adopted due to the necessary, purposes, cost-performances, etc. The various best decision-makings can be performed toward the best countermeasures for earthquake disasters mitigation based on the introduced practical method.%構造物の地震被害を効率よく軽減するためには，精度の高い地震ハザード評価が不可欠である。これまで，自治体などで行われている地震被害想定では，250mなどのメッシュ単位で，工学的判断に基づいて地盤モデルが作成され，メッシュ単位で地動最大加速度，地動最大速度，計測震度等の地震動強さが推定されている。しかしながら，地震動強は特に表層地盤の特性に影響されることから，メッシュ単位の地盤モデルの利用には，さまざまな問題がある。例えば，メッシュが大きければ，メッシュ内で地震動が均一であるとみなすことはできず，建物ごとに効果的な対策を立てることは難しい。一方で，近年，メッシュを小さくして，耐震施策に利用しようという試みが增えているが，単位面積当たりのメッシュ数の増加に伴って地盤情報が増えているわけではなく，内部あるいは周囲にさえ地盤情報のないメッシュが増えるのみである。すなわち，精度を担保できないメッシュが多数を占める地震動マップが作成されることになる。しかも，メッシュを小さくするほど，地盤モデルの作成に莫大な時間とコストが必要となる。さらに，ボーリングや地震観測情報が追加されても，これらの情報を活用することは容易でない。新情報が得られた周辺で，周囲の既存情報と合わせ，新たな地盤モデルを，場合によっては複数，作成し直さなければならない。情報量が増えれば推定はより精確になるはずであるが，地盤モデルの作成は非常に複雑なものとなり，加えて，工学的判断の多用により客観性が失われる可能性も高くなる。