リュース部材を用いた鋼構造建物の設計法に関する研究： 桁方向ブレース構造の耐震性能評価

摘要

Design method of building steel structures for reuse consists of three types which are elastic design method, elasto-plastic design method, and design method considering damages of structural members, and they are used in accordance with structural performances. In this paper, the authors propose design method of building steel structures considering damage of structural members for reuse introducing reduction ratio. Seismic performance of braces in the longitudinal direction such as between a dynamic ductility index of structure and reduction ratio is discussed. Seismic performances such as ultimate displacements, yield base shear force coefficients and initial periods are investigated.%日本における建築関連の二酸化炭素排出量は総排出量の約1/3を占めており，低炭素社会の確立はもはや各分野においての緊急 の共通課題となっている。建築分野においても地球環境問題への 対応が求められる中，日本建築学会では様々な取り組みを行わ れており，その一環としてカーボンニュートラル化を目指した建築 関連分野の地球温暖化対策ビジョン2050が提言されている。著 者らも，環境負荷削減を目指して建築鋼構造分野においてリュース システムに関する研究を行っている。鋼材のリユースが既存の 流通と同様に循環するため，従来の生産·製品の供給という「動脈産 業」に対して，その処理，再生，再利用を行う「静脈産業」の確立を目 指している。ここで，鋼構造の部材リュースは既存建物より柱·大 梁•小梁などを丁寧な解体工法により採取して新規の建物に再度使 用することである（図1)。リュース部材は，既存建物から採取され た部材，または，既存建物から採取予定の部材であり，接合部·架 構を含むものである（図2)。