木鋼格子ラチスシェルの地震応答における接合部回転剛性の影響

摘要

筆者らは前報1)にて空間構造への木材利用を目的に，Fig.1に示すような木鋼格子ラチスシェルの接合部を検討した。提案接合部は矩形断面の木材にスリットを設け，T形またはH形断面の鋼材を挿入し，鋼材フランジ面直交方向からラグスクリューを打ち込み一体化する形式であり,地上からの見え方など意匠性や施工性の点にも優位点があると考えられる。異種材料のハイプリッド接合部は剛性や耐カを把握する必要があり，前報~(1))では静的載荷実験から提案接合部の母材強軸方向の回転剛性と曲げ耐カを明らかにし，単層格了-ラチスシェル屋根の弹性座屈解析より，接合部回転剛性がシェル座屈荷重に与える影響を分析し，ラチスシェル屋根構造設計指針~(2))(学会指針)が概ね安全側で座屈荷重を評価できることを示した。