地震時人的被害予測に向けた人体の地震応答解析モデルの構築振動台搭乗実験に基づく台車型倒立振子モデルによるシミュレーション解析

摘要

これまで発生した被害地震時において、多くの人的被害が報告されている~(例えば1)-6))。地震時のけがの要因としては、主に割れたガラスや食器による切傷、家具の転倒による打撲等が多いが、人間の転倒や物への衝突による打撲や骨折等の報告例も少なくない~(例えば1),2),6))。地震が発生した際、化学プラントや原子力発電所等の重要構造物においては、運転員や作業員の人命確保が最優先であることは言うまでもないが、地震により事故が生じた場合、運転員は有害物質漏洩防止等のための事故後対応を行うことが要求される。しかし、地震の揺れによって作業員が負傷した場合、事後対応が困難となる可能性がある。また、今後の発生が危惧されている南海トラフ地震等の巨大地震時における室内人的被害の予測を行う上でも、地震時における人間の挙動を把握することが重要である。%In this study, the shaking table tests with a human subject were conducted to construct a seismic response analytical model of a human body for evaluating human injury. The mechanisms of postural control of the human subject were investigated. Next, the seismic response analytical model of a human was constructed based on the inverted pendulum model with feedback controller. The frequency response function of the human subject and that of the analytical model was compared to set the appropriate feedback gain. Finally, the validity of the model was verified by the simulation analysis with other input motion.