中間調

摘要

長寿の謎……2007年に日本は超高齢社会となった。2013年時には65歳以上の人口が3186万人と，総人口の25%占めるまでになった。生物である以上，逆らうことのできない老化ではあるが，世界には老化しない，とまで言われる生物がいるのだという。東アフリカを主な生息域とするハダカデバネズミは，ほ乳類としては極めて珍しい，女王を中心としたハチやアリのような社会構造をもつ。通常数年しか生きられない種が多いネズミの中で，体格も変わらないハダカデバネズミは約30年生きると言われている。この異例の長寿は，厳しい環境下で代謝を低下させる能力が酸化を抑えているため，という説があるが，現在も謎が多く，細胞の分析が進められている。また長寿命だけでなく，腫瘍の形成が確認されていないため，ガン化耐性のモデルとしても注目されており，日本国内では北海道大学の動物機能医科学研究室で研究が行われている。