国道45号 吉浜道路上部工工事の施工: 東日本大震災復興のリーディングプロジェクト

摘要

吉浜高架橋•越喜来高架橋は，震災からの早期復興のリーディングプロジェクトである三陸沿岸道路の吉浜道路（施工区間3.6km）において震災直後に発注された大型上部工工事である。吉浜道路は二つのインターチェンジ（三陸IC·吉浜IC）に挟まれ，その区間の72%強が大型構造物『越喜来高架橋584m·吉浜トンネル1644m·吉浜高架橋373m』で構成されている。現在は，平成27年度の供用に向けて他の工事と協調•協力しながら工事の最終段階に入っている。国道45号を使用したインターチェンジ間の走行では，距離8.4km，最大10%縦断勾配，平面曲線半径150m以下の道路であるため，走行時間が約10分必要となる。しかし，この道路が完成すると走行時間が半分以下の4分程度になり，さらに，冬期に頻発していた降雪•凍結に伴う交通事故•交通傷害等も減少すると予想される。本稿は，震災により甚大な被害を受けた被災地で，地域と向き合って取り組んできた地域共同活動と，構造物の品質確保の観点から実施してきた施工についての報告である。