金属溶射を利用した流電陽極方式電気防食工法による橋台の防食施工と防食状況

摘要

周囲を海に囲まれるわが国では，コンクリート構造物への飛来塩分の影響が大きぐまた，道路構造物における凍結防止剤散布に起因する塩害も顕在化しており，鉄筋腐食による構造性能の低下が維持管理の重要課題となっている。鉄筋の防食法のーつに「電気防食工法」があり，鉄筋の分極抑制のための電位差の供給方法に応じて，"外部電源方式"と"流電陽極方式"に分類される。これまで著者らは，金属溶射により犠牲陽極材を部材表面に吹き付ける流電陽極方式の電気防食システムについて，供試体による性能試験と港湾施設への試験施工を行い，海岸部での海水飛沫に関する防食性能を確認してきた。本稿では，凍結防止剤の影響を受ける撟台に適用した試験施工における調査•施工と防食状況を報告する。