九州•山口地域における橋梁長寿命化への取組み: 道守養成講座と橋梁点検へのICTの利活用

摘要

今後20年後には，老朽橋は4倍増，技術者は2割減，維持費用は6割増と予測されるなか，安全性を確保し，技術者の需給GAPを減じ，コストを抑制するためには，橋梁長寿命化のイノベーションが不可欠で，その手段として①地域住民の協力と②ICTの利活用しかない。長崎大学では，地域住民の協力として，2008年度から全国に先駆けて自治体および建設業界からなる産学官連携コンソーシアムにより，道路の維持管理を担う社会人技術者を育成する道守養成講座を開催している。また.ICTの利活用の取組みとして，橋梁維持管理のためのさまざまな光学的計測法を開発し，実用に資するために，SIPインフラ開発技術などとともに地域実装するための現場フィールド実験を実施してきた。ここでは，これらの取組み事例および九州•山口地方でのKABSE (九州橋梁•構造工学研究会）における橋梁長寿命化への取組み事例について紹介する。