人工知能技術による切削加工の自動工程設計

摘要

多様な製品を迅速かつ高効率に生産するため，工作機械の多軸·複合化とともにCAMソフトウェアの導入が進み，NCプログラムを用いた工作機械の自動運転が定着している.また，切削加工の複雑な物理現象を理解し，加工精度や加工時間を大きく左右する使用工具や切削条件などの工程情報を解析的に決定する研究も以前から活発で，加工工程の効率化は確実に進hでいる.一方，デジタルトランスフォーメーション(DX：digital transformation)による変革が叫ばれる昨今，加工工程そのものだけでなく加工準備の効率化も望まれている.しかし，製品形状や製品製造情報などを基に加工工程を計画する工程設計の自動化は遅れている.例えば，CAMソフトウェアでNCプログラムを生成するために不可欠な工程情報は多岐にわたるが，作業者の経験やノウハウに依存してあいまいに決定されているものも多い.このため，非効率で属人的な工程設計を支援する(CAPP：computer aiaed process planning)システムの開発が求められている.