次世代通信機器用回路基板材料の複素誘電率測定技術

摘要

5Gや6Gなど次世代通信の普及を進めていく中で、高周波用高分子材料の新規開発にかかる期待は大きい。要となるmassive MIMO用基地局アレーアンテナや端末のRF-フロントエンド部の基板材料には、低誘電率・低損失性が数～数十GHzの広い周波数帯域において担保されることが要求される。この周波数帯における基板材料の複素誘電率(比誘電率ε,と誘電正接tanδ、あるいはDk、Df)を正確に測定する技術は、当該の材料開発の際の羅針盤となり、また当該材料を用いた回路設計の際にも、特性計算の前提となる材料定数を提供するものとして必要不可欠である。種々の誘電率測定法の中から、数十GHzに至る高周波数領域で、低誘電率・低損失材料の複素誘電率をより正確に測定できるものを選ぶとすれば、共振器法が有力である1)。