私的プラスチック工業史:人と技術とプラスチックと〈Ⅸ〉ポリフエニレンエーテルに情熱を注いだ半生(4):ポリマーアロイとの出会いから製品づくりと理論展開を続けた足掛け52年

摘要

材料の性質をより使いやすく，あるいはより高価値に変えるために，別種の材料を混合することは人類の歴史のなかで珍しいことではなかった.高分子材料ではゴムが実用される段階で多くの添加剤の工夫がなされていることは有名であり，混練法，ブレンド法などと呼ばれている.合成高分子のなかで有名なものはポリ塩化ビニルがある.この材料は熱的に不安定で成形加工することが難しいので，数々の可塑剤の工夫で実用材料の位置を得ている.