染色工場における生産性の向上-美際の体験

摘要

SmartLiquorは、マチス社（Mathis AG；スイス）が2003年のITMAに、初めて出展した染色浴のモニタリング装置（下図左側）である。すなわち、染色中の吸尽量をオンラインで測定・表示できる。これにより、吸尽速度を正確に測定するとともに、最終吸尽量を求めることができる。このモニタリング装置は、染色試験機のみならず、染色実機にも接続できる。SmartLiquorは最初、レーヨン糸染色の実験室で、最適レサイプの決定に利用されたが、その後、浴比や染浴循環周期も同時に測定できるようになった。一般に塩の濃度が高くなると、染着率が向上することが明らかである。従って、吸尽速度を測定すれば、アルカリ投与後の保持時間を調節できる。実験によれば、染料の歩留まりは平均して、11.5％向上した。