電磁生成したハイパー核の崩壊π中間子分光

摘要

Aハイパー核中のA粒子束縛エネルギーは、核媒質中のAN相互作用の大きさを決める上で重 要なインプットであり、その絶対値測定がこれまで写真乾板や（e,e'K~+)反応分光実験によって 行われてきました。我々は、さらに高精度のもとA粒子束縛エネルギーを測定するべく、ドィ ッ.マインツ大学において新しい手法を用いたAハイパー核質量分光手法を開拓しました。そ の結果、質量数4のAハイパー核のひとつであるA_Hの基底状態A粒子束縛ェネルギーを高精 度で測定することに成功しました[1]。本稿では、マインツ大学で創始、開拓した新分光手法に ついて紹介します。なお、本稿は前号記載の山本剛史氏の新人賞記事[2]と相補的な関係がありますので、合わせ てご覧いただけると幸いです。