密度汎関数理論を用いた中性子過剰Ni同位体の低エネルギー2~+状態

摘要

本研究では、Ni同位体に対して線形応答理論により、低エネルギー2~+状態について調べ、頻繁に使用される汎関数との比較を行いました。加速器等の実験装置の向上により、原子核の研究領域はより重い質量をもつ不安定核へと拡大しています。不安定核の性質を理解するため、多くの研究が理論、実験の両面で行われています。理論からは密度汎関数理論が広範囲にわたつて原子核の性質を統一的に記述できるため、手法としてよく用いられています。また、ほとんどの偶々核の第一励起状態は2~+状態ということが知られており、それは純粋な一粒子遷移では説明できず、集団運動による励起と考えられています。励起状態の記述ができる理論として線形応答理論を用いて調べられています。多くの計算では、計算の一部を無視したり置き換えたりすることが一般的ですが、我々は自己無撞着性を破らず計算しました。また、最近の実験結果として[1]を紹介します。