微視的反応模型に基づく~6He共鳴状態の解析

摘要

共鳴状態は、原子核だけでなくハドロンや原子•分子においても現れる普遍的な物理であるため、今日でも多くの研究が行われています。原子核物理では不安定核が注目されており、2中性子ハロー核かつボロミアン核である~6Heは共鳴状態2_1~+(E_x=1.8MeV,r=0.12MeV)がよく知られていますが、他にもいくつかの共鳴状態の存在が理論的に予想されています。共鳴状態は非弹性散乱を通して調べられ、その実験データは共鳴·非共鳴な連続状態による寄与が含まれるため、共鳴状態の情報を抜き出すには様々な状態を考慮したCoupled-Channel計算が必要とされています。しかしながら、唯一角度分布が得られている陽子標的の非弾性散乱実験[1，2]ではそのような解析は行われておらず、共鳴状態が観測量に及ぼす影響が不明瞭のままです。そのため本研究では、連続状態を精密に极える連続状態離散化チャネル結合法（Continuum-Discretized Coupled-Channels Method：CDCC)[3-5]を用いて実験データを解析し、共鳴.非共鳴な状態による寄与を評価しました。