強い電磁場の下でのカイラル非対称性

摘要

本研究は，一様定常磁場とそれに平行な時間的パルス電場の下でのmassive Dirac方程式の厳密解から構成される量子場を用いた解析を行い，その結果としてカイラル非対称性n_5と電場および磁場と同じ方向に生じる流れ密度j_zが誘起し，電場をかけ終えた後であってもそれらが残存することが新たに分かりました.この結果は，カイラル非対称性n_5の誘起とカイラル磁気効果の発生が電場による粒子対生成によるものであることを示唆しています.