前庭動眼反射の方向選択的運動学習とゲイン増減メカニズムの差異

摘要

前庭動眼反射（VOR）は，頭部運動時に「眼球速度/頭部速度」で定義されるVORゲインが約1とrnなるよう眼商内で眼球を反転させることにより，安定した視覚を実現する反射性眼球運動である．VORは，30rn年以上にわたり，小脳が深く関与する運動学習·記憶のメカニズムを探るためのモデルシステムとして，神経科rn学分野の研究対象とされてきた．小脳を含め，VORに関与する感覚受容器（前庭器官），脳内神経経路，効果器rn（眼球筋肉系）は，魚類から霊長類まで機能的並びに解剖・生理学的にも同等であることが確認されている．本研rn究では，金魚のVORを対象に，学習刺激が頭部運動方向に依存するパラダイムを用い，ゲイン増加とゲイン減rn少学習が異なるメカニズムで生じることを実験的に明らかにする．