表示能力と汎用性が高い実ハードウェアを用いたプロセッサ教育支援システム

摘要

あらまし　実機を用いたプロセッサ教育システムでは，時間に沿った2進数によるハードウェアの動作を実感しながら，プロセッサの動作原理を理解できる．実機によるシステムでは，一般的に，FPGAボードが使用される．ただし，専用ボードが容易かつ安価に入手できないことや，プロセッサ内部の表示内容がボード上のLEDや7セグメントに制限され，レジスタ以外のデータパスなどより多くの有益な情報をボード上で表示できないなどの課題がある．そこで，様々な市販FPGAボードが使用でき，かつ，動作環境としてはパーソナルコンピュータと汎用ディスプレイのみで特殊な表示装置を要しない，表示能力と汎用性が高いプロセッサ教育支援システムを開発する．また，設計データは，容易に入手でき，かつ，教育目的に応じて自由に変更できるよう，Ⅵ屯b上で公開する．いくつかの市販FPGAボードに本システムを実装したところ，設計の大部分を共通化したので，ボード間の移植負荷は小さかった．また，全ボードでテストプログラムが動作したことも確認した．実際にパーソナルコンピュータと汎用ディスプレイに接続し，多くのFPGAボードで動作したことから，本システムの汎用性が高いことが分かった．