複数視点の時系列奥行情報の統合による隠ぺいに頑健な領域分割

摘要

単独視点では隠ぺぃを解消できない時系列奥行情報を複数視点から得て，それらを統合して隠ぺいに頑健な領域分割を行う新しい手法を提案する.筆者らは先行研究において，奥行情報を平面図に投影して得られるOccupancy Mapを複数の視点で作成•統合することで，各視点の画像では領域分割を行わないまま頑健な人物追跡を行う手法を提案した.一般に領域分割は物体追跡の前処理として行われるが、提案手法は，この人物追跡の結果をカメラ視点画像に投影して領域分割を行う，単独視点•単独時刻では隠ぺいによって同一人物と判定が困難な領域でも，正しく分割できる利点がある.また人物追跡を基礎としているため，時刻が変化しても映像中の同一人物の領域に対して同一のラベルを割当てることができ，ジェスチヤ認識等への応用が期待される．本論文では安価な機器で複数のステレオカメラをネットワーク化できることを示すとともに，挙手を検知するプロトタイプシステムを構築し，提案手法の実用性を検証する.