ビル防災と安全への道 第2回 大洋デパート火災噴煙に飲み込まれた熊本のデパート火災

摘要

長年，順調な経営を続けていたはずのデパートや旅館など地元の名門企業が消えてしまうことがある.経営が悪化したわけではない.火災による大惨事を引き起こした結果，倒産·廃業したのが熊本市の大洋デパートであった.1973年(昭和48年)11月下旬，歳末を前に買い物客でにぎわう同デバートの店内で火災が発生.訓練を受けていない従業員は対応の術を知らなかった.しかも，工事のため屋外階段は撤去され消防用設備等は機能しなかった.その結果，死者103人，負傷者121人を出すデパート火災史上最悪の大惨事となった.