犬島「家プロジェクト」

摘要

最初に犬島を訪れたのは5年前のことである.春の始まりがいろいろなかたちで現れている犬島に魅了されながら，同時に，どんな風にこのプロジェクトを考えたらよいのか思い悩んだ.犬島に体が馴染むように，模型を想像しながら何度も犬島を步き回った.複数できるであろラギャラリーをどんな時間の流れの中で体験するのか，集落の中にどのような形でギャラリーが現れるのか，理解しょうとした.試行錯果，新しく計画されるものが統一されるのでなく，いろいろな形で，既存の風景とアートと犬島の人びとの生活と混じりあいながら現れる，新しい環境のようなものをつくりたいと思うようになった.