建築家 フランク•ゲーリー展 'I Have an Idea'

摘要

東京•六本木の21_21 DESIGN SIGHT（本誌0705）で「建築家 フランク•ゲーリー展"I Have an Idea"」が開催されている.本展は，本人はあくまで「対象」となり，他者の観察に自分の評価を委ねているゲーリーの態度がまずユニークだ.現役バリバリの世界的な建築家を「対象」として扱うというのは簡単な仕事ではない.まずは展覧会をディレクションした田根氏の仕事に敬意を表したい.ご存知のように21_21 DESIGN SIGHTは，建築専門ギャラリーではない.デザインの「視点」から日常を捉え直し，デザインの面白さ，驚き，喜びを広く社会に伝えようとしている展示施設である.私には本展は「フランク•ゲーリー」という希代の建築家，作家の展覧会であると同時に，「現代の建築家の職能」を示唆する展覧会であると感じられた.