日南巿油津商店街 多世代交流モール まちと人を育てる商店街再生

摘要

宮崎県日南市の油津(あぶらつ)は，かつてマグロ漁や飫肥杉の積み出しで栄えた港町.40年程前まで商店街には80店舗以上が並び，歩くと肩がぶつかるほど多くの人で溢れかえっていた.しかし，近年では3分の1程度まで減少し，空き店舗率も6割に達するなど，シャッター通りとなっていた.平成24年(2012年)度に内閣総理大臣認定を受け，日南市中心市街地活性化事業がスタートし，その重要課題として平成25(2013)年7月に油津商店街再生事業が始動した.補助金を投下する従来型の手法ではなく，専門人材をテナントミックスサポートマネージャー(通称サポマネ)としてまちに住まわせ，市民との対話を重視する実践型の事業である.その人材を「4年で20店舗誘致」，「月額90万円で人材募集」という条件で日南市が全国公募.応募者は予想を上回る333人.二次選考の公開プレゼンで私が掲げたテーマは「自走できる商店街づくり」であった.着任以降，店舗誘致や空き店舗解消だけでなく，商店街が持続的に歩んでいける状況にまちと人とを育てていくことが最大のミッションであると常に認識し，現在まで取り組んできた.