EXHIBITION

摘要

神奈川県横浜市で「M meets M」と称して村野藤吾展と慎文彦展が同時開催されている.2020年6月の横浜市庁舎(本誌2009)の移転を機として，旧庁舎(同6011)の設計者である村野藤吾と新庁舎のデザィン監修者である慎文彦にフォーカスした企画である.村野藤吾展は再築された旧帝蚕倉庫内にできたBankART KAIKOのオープニングイベントにあたる.村野藤吾展では，京都工芸繊維大学美術工芸資料館の協力の下，模型.写真および旧横浜市庁舎の原図が展示されている.実行委員の松隈洋によると,旧横浜市庁舎の原図がまとめて公開されるのは初めてという.優美な曲線の手摺の現寸図，端部の納まりが吹き出し状に記された仕上図表など.ディテールにこだわる村野の神髄がうかがえる.今やデジタル化が進み原図という概念がなくなりつつあるが，原図の持つ迫力，美しさに魅了される.他，日本生命日比谷ビル(日生劇場，同640"のマド貝の貼られた天井モックアップち目を引く.