松尾建設 佐賀本店

摘要

九州最大のゼネコンである松尾建設の佐賀本店が，創業130周年を機に旧本社跡地へと還る建て替え計画である.大正期にいち早く鉄筋コンクリート造の小学校を実現したり，近年ではプレキャスト•コンクリート免震（PC免震）工法に取り組むなど，創業期より進取の精神と各分野の専門家との協働を伝統としてきた松尾建設.製造時の地球環境負荷が大きいコンクリートなどの建材から木材利用への転換が世界的な動きとなる中で，木造建築を推進するにふさわしい新社屋を目指し，大学やアトリエ設計事務所を巻き込んだ広い協働が図られた.誰もが身近に感じられる材料であると同時に，今なお未知の可能性を秘めた木には，こうした連携を可能にするプラットフォームとしての力がある.