建築物における木材利用の推進に向けて

摘要

わが国は国土の3分の2にあたる約2,500万haを森林が占め，国土の保全，水源の涵養などの多面的機能を発揮し，国民生活および国民経済に貢献しています.また，戦中•戦後に荒廃した森林において先人の努力で植林が進められた結果，資源として本格的に利用できるまでに再生し，その充実度は人工林の蓄積で見れば半世紀前の約5.6億m~3(1967年）から，現在は約6倍にあたる33億m~3，年生長量は5,300m~3までになつています.木材自給率も36%(2017年）と7年連続の上昇（2010年26.3%)となっており，国産材の供給量は年間約3,000万m~3に達しましたが，年生長量から見ると十分な活用とまでは至っていない状況です.